ローマ教皇と昭和天皇 20~21世紀の日本とバチカン

角川新書

ローマ教皇と昭和天皇 20~21世紀の日本とバチカン

著・文・その他:松本 佐保

内容紹介

バチカンによる終戦工作は、なぜ成功しなかったのか。
未公開だった新資料をバチカン研究の第一人者が解読。現れた衝撃の新事実の数々。
終戦前後の世界の動きが、ついに明らかとなる――。

■天皇制維持は、バチカンとアメリカが反共を貫くための作戦だった
■バチカンと日本の正式な国交樹立は、アメリカより40年も早かった。
■バチカンは、神道は宗教ではなく、日本の風俗習慣や文化とみなした。
■レーガンが核抑止から核廃絶へ向かったのは、バチカンの影響があった。
■スターリンは、日本と国交樹立するなら、ソ連ともするべきだというラブレターをバチカンへ送っていた。
■教皇ピウス12世はアイゼンハワーに対し、原爆投下は戦争犯罪であると明言した。
■バチカンは、シベリア抑留者の日本への帰還に手を貸したほか、アメリカの収容所に収容されていた南米の日系人の釈放や財産の返還を、該当地の政府やアメリカに要求した。

目次

はしがき 封印されていたバチカン文書の公開
序論 バチカンと日本の国交樹立
第一章 弾圧から解禁へ 「バチカンと近代日本」前史
第二章 バチカンと日本そして英米との国交樹立の背景
コラム 近現代のローマ教皇と国務長官、駐日バチカン使節――昭和天皇とかかわった歴代ローマ教皇

第一部 裕仁皇太子の教皇への謁見
第一章 第一次大戦直後、裕仁皇太子の欧州訪問と教皇ベネディクト15世への謁見
第二章 カトリック海軍軍人から裕仁皇太子の御用掛へ。山本信次郎の重要な役割
第三章 皇太子の教皇ベネディクト15世謁見、そしてラテラーノ条約

第二部 満州事変、日中戦争、太平洋戦争、バチカンの終戦工作
第一章 1942年のバチカンと日本の国交樹立をめぐる議論 
第二章 バチカンと英米間の国交不在
第三章 日本のカトリック教会の戦争協力をめぐる論争について
第四章 バチカンの終戦工作:なぜ日本はバチカンに期待したのか

第三部 戦後占領下政策期の日本とバチカン:民主主義回復とキリスト教
第一章 バチカンと敗戦後の日本
第二章 バチカンと英米間の国交不在
第三章 日本のカトリック教会の戦争協力をめぐる論争について
第四章 バチカンの終戦工作:なぜ日本はバチカンに期待したのか

第三部 戦後占領下政策期の日本とバチカン:民主主義回復とキリスト教
第一章 バチカンと敗戦後の日本
第二章 天皇制の維持
第三章 天皇と福祉、キリスト教の関わり

第四部 核兵器問題:日本とバチカン、そして米国との関係
第一章 被曝国であるということ
第二章 冷戦前後の世界の動き
第三章 現代そしてこれから

おわりに
参考文献

著者略歴

1965年神戸生まれ。90年慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程終了。97年英国ウォーリック大学社会史研究所博士課程修了。Ph.D.取得。その間イタリア政府給費留学生としてローマのリソルジメント研究所に研究員として滞在。名古屋市立大学教授を経て、現在、日本大学国際関係学部教授。専攻は国際政治史(英米、イタリア、バチカン政治・外交・文化史)。著書に『バチカン近現代史』(中公新書)、『熱狂する「神の国」アメリカ』(文春新書)『アメリカを動かす宗教ナショナリズム』(ちくま新書)などがある。
ISBNコード
9784040825168
JANコード
Cコード
0076
発行元出版社
KADOKAWA
扱い社
JP番号
国際分類コード
判型
A4
ページ数
192ページ
定価
7,000円(本体)
発売予定日
2025年04月30日
対象読者
成人指定
NDC分類

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